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重複投与・相互作用等防止加算について

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 調剤薬局が果たすべき役割として、処方されている薬剤がその患者さんにとって適切であるか判断し、必要があればDrに報告・変更してもらうという仕事があります。その際に算定される点数についてです。

重複投与・相互作用等防止加算とは

 重複投与・相互作用等防止加算とは、薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義紹介した上で処方が変更された場合に算定可能な点数です。具体的にはアレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となります。

原則算定不可のケースについて

 算定できるケースとできないケースについて、特に算定ができないようなケースについては注意が必要です。

注射針について

 万年筆型注射薬に使用する注射針(標準用)の余剰による処方医への紹介および処方変更に対して、重複投与・相互作用等防止加算(残薬調整に係るもの)の算定は原則として不可。

 注射針は特定保健医療材料であり、医薬品には該当しないため注射針の処方について変更が行われた場合においては算定は認められません。

投与日数制限のある薬品について

 投与日数制限のある医薬品(新薬や麻薬・向精神薬)の処方日数または処方量の限度超過による処方医への疑義紹介および処方変更に対して、重複投与・相互作用等防止加算(残薬調整に係るもの)の算定は原則として不可。

 薬学的観点からの疑義紹介によって処方が変更された場合のみ、重複投与・相互作用等防止加算は算定可能です。そのため処方制限のある薬剤の処方日数や処方量に関しての変更は保険請求上の問題であり薬学的観点からの紹介とは考えにくいため算定ができません。

 ただし重篤な副作用のリスクや薬物依存症候群当患者の病状や疾患の兆候から過量投与の危険性を認知して疑義紹介を行った場合は算定が認められることはあり得ます。

患者希望による変更について

 患者の希望により処方医への紹介および処方変更に対して、重複投与・相互作用等防止加算(残薬調整に係るもの)の算定は原則として不可。

 患者希望で処方の追加もしくは削除がされた場合は、薬学的観点からの紹介とは認められません。処方医の処方箋への記載漏れだと思われるケースであっても算定は認められません。

必要事項の記載漏れについて

 用量等処方箋の必要事項の記載漏れ、記載ミスによる処方医への紹介および処方変更に対して、重複投与・相互作用等防止加算(残薬調整に係るもの)の算定は原則として不可。

 記載ミスに係る紹介は薬学的観点からの紹介とは考えられないため点数の算定は認められません。

 同じく定期処方医薬品の処方がない場合の処方医への紹介および処方変更に対しても重複投与・相互作用防止加算の算定はできません。

重複投与・相互作用防止加算を算定する際の注意事項

 摘要欄に重複投与・相互作用等防止加算の算定(残薬調整に係るもの以外の場合)に係る内容・要点の記載がないものについては算定は不可。

「診療報酬請求書当の記載要領等について」の別表Ⅰ調剤報酬明細書の「適用」欄への記載事項等一覧に明記されている記載がなく、算定理由が不明なものについて算定は認められません。レセプト摘要欄への記載が必要となるため、算定を行う場合には必ず入力を忘れないようにしなくてはいけません。

 記載事項については下記の通り

内容(重複投与・相互作用等防止加算):同種・同効の併用薬との重複投与

内容(重複投与・相互作用等防止加算):併用薬・飲食物等との相互作用

内容(重複投与・相互作用等防止加算):過去のアレルギー歴、副作用歴

内容(重複投与・相互作用等防止加算):体重、年齢、肝機能、腎機能等による影響

内容(重複投与・相互作用等防止加算):授乳、妊娠への影響

内容(重複投与・相互作用等防止加算):その他薬学的観点から必要と認める事項

算定可能なケースで多いもの

 算定できないケースについての注意を記載しましたが、算定できるケースで多いものはどのような事があるのか、それは上記の算定理由に当てはまる物になります。どの科の処方を受けることが多いのか、調剤薬局により異なると思いますので一概に「このケースが最多」と言い切ることはできないと思います。

 自分が経験する比較的多い算定できるケースとしては、複数の診療科にかかっている患者さんがたまたま風邪などで受診して普段服用している胃薬と今回処方された胃薬の働きが重複しているような場合です。また高齢になった患者さんだと下剤や痛み止めを服用しているケースも多いため、お薬手帳からこのような重複を発見した場合にはもちろんそれを避けるための疑義紹介が必要になります。

 H₂ブロッカー服用中の患者さんにPPIが処方されたり、DPP-4阻害剤が処方される患者さんにGLP-1受容体作動薬が処方された場合なども成分重複ととらえ、紹介して処方変更となった際には点数算定が可能だと思います。

 また小児の薬について体重や年齢に対して処方量に過不足が考えられる場合なども、疑義紹介を行って用量が変更になれば点数は算定できます。

その他薬学的観点から必要と認める事項

 「その他薬学的観点から必要と認める事項」については、薬剤ごとの上限用量や使用方法などの特性を理解したうえで算定できるケースであると考えています。

 例えば初回導入用量が決まっている薬剤について、その量を超えて処方されている場合、疑義紹介を行って用量が変更になれば副作用防止の観点から点数は算定可能だと思います。また特定の薬剤の1日の上限量がオーバーして処方されているケースなども該当すると考えます。例えばアムロジピンが1日量で15mg処方されている場合、1日の上限量は10mgなので過量となってしまい、レセプトでもはじかれてしまうため適正な用量に変更を依頼することは必要で点数の算定が可能だと思います。

まとめ

 薬剤には飲み合わせの悪いものや、名前が違っていても同じような働きのある物等はとても沢山あります。未だに感染が続いている新型コロナウイルス治療薬についても、一部治療薬について薬の代謝の関係から併用できない薬剤が沢山あるものもあります。たとえ同一の処方医の場合でも見落としてしまう事があるかもしれないため、薬剤師が行う仕事として当然のことながら疑義紹介を行うという事は大切です。

 重複投与・相互作用等防止加算の算定件数はその薬局がどれだけ患者さんに不要な薬を未然に防いだか、また副作用発現の危険性を回避したかといった指標になる物です。薬局に求められる機能の一部であるため、算定できるケースをしっかり理解しておくことが大切です。

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