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エンレスト錠について

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 ここ最近処方で良く目にするようになってきたエンレスト錠についてのまとめです。

エンレスト錠発売からの経緯

 エンレスト錠は2020年8月26日に、新規心不全治療薬として発売が開始されました。アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)という新しい作用機序の薬剤です。ネプリライシン阻害薬は、ブラジキニンなどの血管作動性ペプチドを分解する酵素であるネプリライシンを阻害する薬剤で、血管収縮やナトリウム貯留、神経ホルモンの過剰な活性化を抑制する作用があります。

 ネリプライシン阻害薬のサクビトリルと、ARBであるバルサルタンを含有する一分子化合物なので、2種の異なる薬剤が含まれる配合剤とは異なります。

 2021年9月には発売から1年が経過したため長期処方が可能となり、同年10月には高血圧治療薬としての適応も追加となりました。

エンレスト錠の規格~使用方法

 エンレスト錠は50mg、100mg、200mgの3つの規格がある薬剤です。すべて慢性心不全には適応がありますが、高血圧には100mg、200mgの2種のみが適応されます。ビソプロロールやカルベジロールのように低量用のみ心不全に適応があるというイメージです。

エンレスト錠導入の前提として

 添付文書の記載を確認しますと、慢性心不全の適応でエンレスト錠を使用する場合には、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬から切り替えて投与すること。と記載があります。標準的な慢性心不全の治療を受けている事が前提となるため、いきなりこの薬は使えないようです。

 また高血圧治療に用いる場合も、過度な血圧低下の恐れ等があるため原則本剤を高血圧治療の第一選択薬としない事。と記載があります。すでに他の薬剤で高血圧治療を行っており効果不十分な場合に選択される薬剤になります。

エンレスト錠の使用方法

 慢性心不全の治療に用いる場合、サクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与します。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量でき、1回投与量は50mg、100mg又は200mgとし、いずれの投与量においても1日2回経口投与します。

 高血圧治療に用いる場合、サクビトリルバルサルタンとして1回200mgを1日1回経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、最大投与量は1回400mgを1日1回とします。

 上記から分かるように、1日2回の服用なら慢性心不全、1日1回なら高血圧での適応で医師側は病名をつけていると言えるでしょう。

他の薬剤からエンレスト錠への切り替えの際の注意

 導入の前提に記載したように、エンレスト錠は他の薬剤から切り替えて使い始めますが、導入時点でも注意が必要です。エンレスト錠の添付文書禁忌事項にはこのような記載があります。

 アンジオテンシン変換酵素阻害薬(アラセプリル、イミダプリル塩酸塩、エナラプリルマレイン酸塩、カプトプリル、キナプリル塩酸塩、シラザプリル水和物、テモカプリル塩酸塩、デラプリル塩酸塩、トランドラプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ペリンドプリルエルブミン、リシノプリル水和物)を投与中の患者、あるいは投与中止から36時間以内の患者。

 これはまた重要な基本的注意事項に記載がありますが、血管浮腫が現れるおそれがあるために必要な事項となります。

 もし仮にエンレスト錠が他のACE阻害剤もしくはARBからの切り替えで処方された場合、36時間という事は1日半は間をあける必要があります。同じ用法で処方される場合は2日あいだをあけなくてはいけないという事になります。この辺の説明は薬剤師が理解しておく必要があると思います。

まとめ

 エンレスト錠は従来のARBに比べて高圧効果も期待でき、心不全の悪化も防ぐことができるいい薬だと思います。長期処方が解禁になってから使用する患者さんが増えてきている薬剤であると思い今回簡単に内容をまとめてみました。降圧薬として使用されるのは200mgの規格がほとんどです。導入や切り替えの際などに注意が必要なので忘れず要点は覚えておきたいと思います。

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