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調剤薬局経営者が求める薬剤師

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 今後調剤薬局で働くことを希望している学生、転職を考えている方に向けて、現在の調剤薬局で求められていることに関して、自分なりの考えです。この記事では具体的な点数や求められる数字についての言及はせず、取り組んでいくべき事項についてまとめています。

処方箋を捌くだけの時代からの変化

 医薬分業が進み、病院の近くに薬局がセットで建っている、また大きな病院の前にはいくつかの薬局が並んで乱立しているといった光景を目にしたことはないでしょうか。自分が薬局に転職した際には、門前クリニックから流れてくる患者さんの処方箋をただ指示に従い調剤することで薬局は十分利益を得ることができていました。しかし時代の流れとともに薬局、そこに働く調剤薬局に求められる事が変わってきています。

薬局で支払うお金=薬剤の費用ではない

 調剤薬局では「調剤報酬」に従い患者さんの処方箋事に点数をつけ、それにより1点=10円、という報酬を得ています。病院やクリニックではこれが「診療報酬」となります。総点数の中には薬剤の費用ももちろん含まれていますが、この調剤報酬の変化に伴い調剤薬局で働く薬剤師に求められる仕事というものも変わってきています。患者さんの保険負担割合により、総点数の内1割~3割の金額を薬局で支払い、残りは保険者に請求することで残りの金額が振り込まれます。

なぜ今までと同じでは利益が出ないのか

 それではなぜそのような変化が起こってきたのか。これは単純に国の医療費の削減の結果と言えるでしょう。調剤薬局で患者さんが受け取る薬剤については、すべて厚生労働省が決定している「薬価」により決まっています。薬局では当然薬価より安い金額で薬剤の仕入れを行い、処方箋に従った薬剤を薬価で点数算定することでその「差益」により利益を得ていました。薬価は定期的に見直しがされ、医療費削減のため年々引き下げられている傾向があります。ここ最近は供給の問題で一部薬剤で薬価が引き上げられたものもありますが、ほとんど低下傾向と言えます。

調剤基本料を上げる人材が必要とされる時代

 調剤報酬の中には、調剤基本料という点数が含まれています。調剤基本料とは、薬局で患者さんから処方箋を受け付けた際に徴収できる基礎点のようなもので、この点数が薬局により細分化されています。調剤薬局の持つ機能の違いにより点数が異なるため、同じ薬剤をA薬局とB薬局で受け取る場合では薬の「薬価」は同じでも患者さんが支払う金額には差が出るのです。

調剤基本料の構成

 「調剤基本料」自体がその調剤薬局の処方箋受付回数や処方箋集中率に左右されますが、調剤基本料の中には現在大きく「地域支援体制加算」と「後発医薬品調剤体制加算」の2つの加点が用意されています。この「調剤基本料」、「地域支援体制加算」、「後発医薬品調剤体制加算」を上げていくことこそ経営者に求められる薬剤師の人材と言えるでしょう。

調剤基本料を上げるために

 調剤基本料の区分の中で自分の勤務する調剤薬局がより良い点数を算定するために、まず乗り越えなくてはならないのは処方箋集中率です。処方箋集中率とは、文字通り薬局で受け付ける1カ所の医療機関が占める割合となります。従来の薬局のスタイルで、A病院の近くに併設している薬局Aがあったとすると、当然A薬局が受ける患者さんはA病院の患者さんがほとんどとなり集中率はほぼ100%近くだったでしょう。しかし現在は調剤薬局が1カ月に受付をする処方箋枚数に対してこの集中率が高いと調剤基本料が低くなります。

 そのためA薬局では集中率を下げるため、従来のA病院の処方箋だけではなく、B病院やC病院等別の医療機関の処方箋を幅広く対応する必要が出てきます。自分が勤める薬局で実際に行われているのが、老人介護施設や障害者施設に入居している患者さんの処方をまとめて受けることで集中率を下げるという方法です。多くの入居型介護施設では、Drが往診して処方箋をまとめて発行していると思います。当然近くのA病院の外来の患者さんの処方箋を対応しながらそちらの準備も進める形になるため、薬剤師への負担は大きくなります。しかし施設看護師さんとのやり取りを通して学ぶこともあり、当然施設に入居している患者さんのためには必要な仕事です。

地域支援体制加算を算定するために

 地域支援体制加算とは、文字通り調剤薬局が地域医療に貢献する体制を有することを示す実績があることで算定できる加算になります。その中に在宅医療の実績があること、かかりつけ薬剤師指導料に係る届出を行っている事が含まれます。在宅医療とは薬局に来局できなくなった患者様のいらっしゃるお宅もしくは入居している施設に薬剤師が訪問してお薬の説明を行い、間違えず服用するサポートを行う事です。またそこで知りえた情報についてDrに報告書を提出します。業務時間の合間を縫っての対応となり、薬剤師が訪問しなくてはいけないため時間もかかります。

 かかりつけ薬剤師とは、1人の患者さんについて毎回同じ薬剤師が対応するという制度です。例えば複数の医療機関にかかっている患者さんについて、かかりつけ薬剤師が対応することで薬の飲み合わせの確認や相談がしやすくなるといったメリットがあります。ただその患者さんのかかりつけ薬剤師となるためには、患者さん個人と契約書を交わす必要があり、点数、つまりはお金も少しかかるため理解いただくのに難しいケースもあります。

 この在宅業務、かかりつけ業務について努力していける薬剤師が必要とされています。

後発医薬品調剤体制加算を算定するために

 後発医薬品調剤体制加算とは、薬局で実際に使用された薬剤のうち、沢山後発医薬品(ジェネリック医薬品)を使えば算定できる点数になります。これは過去3カ月の実績に応じて変化するものになります。現在はほとんどの医療機関、クリニックが一般名処方を行っており、先発化ジェネリックかの選択は患者さんが薬局で選択できるようになっています。国の医療費削減のためにもジェネリック医薬品は推奨されておりあまり抵抗なく使っている患者さんが多いと思いますので、特にこだわりのない一般名処方の処方箋薬剤であればジェネリック医薬品を推奨していくことは難しくないです。薬剤師が意識をして先発医薬品を使っている患者さんに丁寧に説明することで、ジェネリック医薬品の使用割合は増えていくと思います。

まとめ

 最後にまとめると、調剤薬局の現場で必要とされる薬剤師とは、国の方針による薬局の在り方に沿った仕事の変化に対応していく薬剤師だと言えるでしょう。既存の仕事をこなすだけでなく必要な点数が算定できるようにする事が薬局機能を高め、患者さんの要望に対応できる環境を作れると思います。

 

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