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褥瘡とその治療について

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 高齢化が進み寝たきりの患者さんが増える中、施設に入居していても、自宅で介護するにしても面することが多いのが褥瘡だと思います。褥瘡とその治療についてまとめます。

褥瘡とは

 褥瘡とは、長時間または頻回に加わる外力(圧力・ずれ力)が原因で生じる組織の阻血性壊死です。仙骨、尾骨、踵骨部、大転子部、座骨結節部などに好発しますが、全身のどの部分にも発生しうる症状です。

 皮膚は表皮(ひょうひ)・真皮(しんぴ)・皮下組織(ひかそしき)の3層から構成されています。損傷の及ぶ組織レベルによりステージ分類が行われます。NPUAP(米国褥瘡諮問委員会:National Pressure Ulcer Advisory Panel)が提唱する褥瘡の深達度(深さ)による分類は下記の通り。

ステージⅠ:退職しない発赤

ステージⅡ:真皮レベルの損傷

ステージⅢ:全層皮膚欠損

ステージⅣ:骨・腱・筋肉が露出

判定不能:皮膚または組織の全層欠損・深さ判定不能、壊死組織で覆われている全層損傷

薬物療法以外での対処

 褥瘡については、患部の感染をコントロールしながら創傷治療を図っていく事は一般の創傷と同じです。褥瘡では、創部にかかる外力を取り除くことが最優先されるため、介護面の視点を抜きにして褥瘡の改善は図れないと言われています。

外力の除去

 外力の除去にはマットレスの選択や定期的体位交換、ポジショニングクッションの使用などが有効とされます。

栄養管理

 カロリー、蛋白量だけでなく、鉄、亜鉛、銅などの微量元素、ビタミン類にも配慮した栄養管理が必要です。経口栄養補助剤などのしようも有用だと思われます。

スキンケア

 失禁に対応した皮膚への撥水剤の外用や、創部の弁汚染防止対策など、看護による対応が不可欠です。創周囲は弱酸性の洗浄剤を用いて洗浄し、必要に応じ保湿剤を外用しスキンケアを図る、創面からの浸出液により周囲の皮膚が浸軟することのないよう吸水能力を考慮してドレッシング剤や外用薬を選択します。

主な薬剤とその作用点

 代表的な薬剤の商品名と、その作用点と注意点です。

滲出液の吸収

 感染や浮腫は大量の滲出液を伴う事が多く、積極的な水分コントロールを行うために創面の滲出液を吸収し、浮腫や炎症を抑えます。

 代表的な薬剤はカデックス軟膏(カデキソマー・ヨウ素)、ユーパスタ軟膏(ポピドンヨードシュガー)などです。

 滲出液が減少したら湿潤を保持し、多罪へ変更します。乾かしすぎは悪化するため注意が必要です。

創の収縮・上皮化

 創の縮小は上皮化促進及び創の引き締めによる収縮させ縮小させます。

 代表的な薬剤はアズノール軟膏(アズレン)、亜鉛化単軟膏、亜鉛化軟膏などです。

 過度な乾燥は上皮化を進行させるか、上皮化や創の収縮を停止させます。また湿潤の低下により創口が肥厚し、巻き込みが送るので治りにくくなります。

炎症・感染の制御

 感染制御は極めて重要で、感染・炎症の持続は細胞の増殖を妨げるので抗菌薬などで抑える必要があります。

 代表的な薬剤はカデックス軟膏(カデキソマー・ヨウ素)、ユーパスタ軟膏(ポピドンヨードシュガー)、ゲーベンクリーム(スルファジン銀)などです。

 消毒の必要性を考慮しつつも長期間行わず、創の正常化に伴い使用を中止します。

肉芽組織の促進

 肉芽形成に適した湿潤環境を保持したうえで肉芽形成を促す外用薬を使用します。壊死組織の残存により肉芽形成は阻害されるため注意が必要です。

 代表的な薬剤はアクトシン軟膏(ブクラデシンナトリウム)、プロスタンディン軟膏(プロスタグランジンE₁)、オルセノン軟膏(トレチノイントコフェリル)、フィブラストスプレー(トラフェルミン)などです。

 正常な肉芽組織に対して、肉芽形成促進剤が選択されます。

壊死組織の除去

 壊死組織は外科的および化学的デブリードマンによりできる限り速やかに除去します。壊死組織は細菌の温床となるため配慮が必要です。

 代表的な薬剤はカデックス軟膏(カデキソマー・ヨウ素)、ゲーベンクリーム(スルファジン銀)などです。

 滲出液量が少ない時に吸水性、多い時に水分量の多い基材の選択をしないといった注意が必要です。

まとめ

 褥瘡については今後薬剤師による在宅・居宅対応による介入や、医師の往診同行などで意見が求められるケースも出てくると考えています。そのため使える薬剤の選択肢は頭に入れておく必要があります。介護者からの相談などがあった場合にも、褥瘡ができてしまわないように薬物療法以外での対処がいくつか紹介できると一目置かれた投薬説明ができるのではないかと思います。

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